2025年省エネ適合義務化に向けて 断熱等級6以上でも信頼されるペレットストーブ工事とは。貫通部気密処理について。

2025年度より遅れに遅れながら、住宅の断熱性能が義務化されます。2020年の際に頓挫したものですが、遅きに失した感はありますが、ここからがスタートです。しかも断熱等級4の義務化って、1999年の基準じゃないかーい!あまりに低レベル。。。

しかし。

ここからがスタートです。

やらないより遥かにマシです。

2030年には断熱等級5の義務化が決まっていますし、フラット35Sの基準は等級5以上になりました。

新築での低炭素住宅の認定基準に断熱等の省エネ基準に加えて、「その他講ずべき措置」として「再生可能エネルギー利用設備の導入」、そのリストに「ペレットストーブ」が掲載されました。諸々の制度が整備中につき、リストには載ったもののまだ運用できる段にないはずですが大きな前進です。

認定低炭素住宅になると、一定期間の所得税減免、フラット35S適用で住宅ローン金利優遇など、設備導入や性能向上のためにイニシャルで余計にかかる費用を中期で回収・軽減するための措置の対象になります。

 

本年7/15より、木質ペレットJASもスタートしましたし、ペレットストーブに関係する公的な制度づくりが一気に動いている感があります。

(参考 「エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要」)

諸々動いてます。

 

2023年6月23日に、私も理事を務めている一般社団法人 日本ペレットストーブ工業会(以下、PSJと略)の年次総会がありました。ここで、私は長時間かつかなりつっこんだ会員向けプレゼンテーションを行う機会をもらいました。

 

元々は有識者講演をあたったものの、日程が合わないなどの理由で、相談した有識者の先生方、軒並み断られてしまい、私にお鉢が回ってきました。

時間30分程度に収めなければならなかったのですが、えーい、パワーポイント140枚になってしまいました。初めから時間内に収めるつもりなど無いくせに、と揶揄される始末(笑)。・・・飛ばし飛ばしで約一時間のプレゼンとなりました。終了後に「小林さんの凄さを改めて感じた」とお褒めの言葉もちらほら。

「講演」という形は取りたくなかったので、「情報共有」という形にしてもらいました。

 

内心、今回は有識者ではなく私が担った方がよいだろうと、思っておりました。

有識者レベルの話までは私ではできませんが、今、PSJ業界にとって必要な情報は、実際に2025年義務化がペレットストーブにとってどんな影響をもたらすか?いい意味と逆も含めて。あとは私たちがそれに向けて何を革新していかなくてはならないか、など、具体的な課題に落とし込む話は、たぶん現場にも通じている者の方が適していると思っていたので。

 

加えて、木質バイオマスの位置づけと、そもそも、今回省エネ適合の義務化という脱炭素の話ってどういうことなの?という理解を深める必要もあったからです。

この視点は、ペレットストーブ業界内で、包括的に議論される機会はないので、そもそも制度によって特定の省エネ機器を後押しするって、どういう背景なんじゃい?というのを紹介して、そういう機会を設けたという記録を残しておきたかったわけです。

 

国内では岡山県の銘建工業の欧州材を原料にした集成材加工屑で作ったペレットが、森林県である東北や甲信越地方でまで流通している状況です。国内の銘建シェアは半分どころじゃないので。うちも長野のペレットにかなり頼っています。ライフサイクルでみたこれらのペレットの環境影響評価については、今回は深くは突っ込まないとしても、伐採地森林資源の持続可能性や海上輸送から消費までのライフサイクルCO2を無視することはできません。省エネ機器として公的に位置づけられるということは、そうした観点をこれまで以上に考えていかなくてはなりません。

「木質を燃やして出たCO2はカーボンニュートラルなので温暖化には影響しません!」と自信満々で言ってしまっているペレット・薪ストーブ関係者を度々目にしてきました(私が突っ込むので、言い方はかなり慎重になってきた感じはあります)。

業界団体としてはディーラー(販売・設置業者)の、このあたりのところ、踏まえて発信していかなくてはなりません。

 

私たちは人の暮らしにおいて、単に温かいにとどまらない質的な付加価値と、実際のカーボンニュートラルという脱炭素の価値創造に寄与できるプレイヤーの位置にいます。そのことを自覚し、プロとして振る舞えるディーラーを増やしていきたいと思うのです。

 

ま、そういうわけでパワーポイント140枚になってしまうのですが。はは。

急遽のピンチヒッターだったので、過去に作成したものや拾い物コピペコピペで突貫一日で作成。短時間で作成したパワポの方がまとまりはよいですよね。

 

演題は

「住宅の断熱・一次エネルギー消費量等級新設、義務化と達成する工法の動向

その背景としての気候変動問題の現在地と木質バイオマス」

としました。

 

ペレットストーブ業界の高気密住宅への認識は、現時点でもまだかなり鈍いです。

ここを何とか底上げ、革新しようと考えて、度々、積み上げてきたエビデンスの公開や専門家を招いたオンライン勉強会を開催してきまして、また積極的にPSJへの入会をお勧めして議論に加わるよう各社に要請してきたのですが、申し訳ないのですが、あまり身に付いていないというか、話をしていてもあまり噛み合わなくて、少なくとも関連書を数冊読めばわかるような話程度が何年経ってもあまり更新されていない印象です。話が噛み合うのは数人です。

自分が強くお誘いして入会を決めてもらったケースがかなりあるので、あまり批判的なことを記述するのはまずいな、と思いつつ、お誘いする際に私は「仲良くなろうとお誘いしているわけではない。業界の今後にとって(ペレットストーブの省エネ機器認定は)大事な起点になるので、その取組を会員として支える側に回っていただきたい。議論に加わって欲しい。制度ができあがってからフリーライダーとして入会するのではなく、正念場のいま、参加をお願いしたい」と念押しして話しているので、まぁ筋は通しています。

 

ペレットストーブ業界より薪ストーブ業界の方が業界としての取り組み方は真剣ですね。薪だと高気密・換気対策をしないと燃えないし、不完全燃焼するし、事故例もあるので、真剣に向き合わざるを得なかったという経緯はあるものの。ペレットストーブは機械なので何とかなってしまうところがあります。

 

私はSNSの個人アカウントでは仕事の話はしない方針なのですが、いつの間にか仕事関連のつながりが増えてしまいました。そのせいで、「高気密住宅で窒息する(息苦しい)」とか「天然素材なので(シックハウスは起こらないので)24時間換気は不要」などのかなりのトンデモ意見を開陳しちゃってる業者を見かけてしまいます。一時はその都度、やんわりと、時にちょい激しめに指摘していたのですが、それはもうやめました。言われるのは気分よくないでしょうが言うのも気が引けるのです。不適切な工事写真も時々見かけます。その工事の施主・ユーザーさんが、言われているのを見たらどう思うでしょうか。今は一切触れないようにしています。

 

各地の気象台が毎日の気圧変化のログを公開していますが、それをみると数時間でhPa単位で変化します。低気圧が近づいて気圧変化を感じる敏感な方もいますが、室内外のせいぜい20-30Paの気圧差を人は感知できません。絶対圧計でリアルタイムの微小変化を見ているとそのくらいの変動は窓の開閉などしなくても常時あります。

 

ちなみにhPaとPaだと100倍違います。

1Fから2Fに上り下りするだけで短時間に数十Paの変化を体は経験します。しかしその程度の圧力差は感じることはできないのです(私が調べた限りでは文献が見つかりません)。もっと急激に変われば、エレベーターで高層階と行き来した時のように耳キーンとなりますが、それだって息苦しいってないはずです。

高気密でのストーブ工事や調整に懲りた経験があって、そう言ってしまっているケースが多いように思います。

 

更に9月の頭にPSJの講習会がありまして、ここでのテーマは「既存高気密住宅での壁貫通工事講習会」
ここで私も自分の後工事での気密処理の技法について、公の場で初めて公開しました。私は2017年以前から実装している内容で、試行錯誤で確立し、技術としては大いに価値のあるものと考え、安易には公開してきませんでした。今回、テーマがそれだったので、やるしかなかった。今回の成果を会の共通認識と位置づけることになるからです。後から「俺のやり方の方がレベル高い」とか「そんなの言われるまでもない」とか言うのはカッコ悪いです。

 

 

(右下の写真が私です。どうすれば壁内干渉物を避けつつ気密シートを破らないように開口し気密処理ができるか実演しました)


理解していなくても技法というのは「やっつけ」でできてしまうものです。私が主催する講習会では、断熱気密の歴史を理解し、ある程度の知識体系が確立できてから初めて実演する内容です。

「安易に公開しない」というのはそういう意味です。

 

後日の理事会では「もう二度と、自分の技術を無料で公開することは御免被りたい」と宣言してしまいました。

技術講習で一儲けしようとか、そういうのどうでもよいのです。技術に対してのリスペクトの姿勢があまりに希薄で、もうがっくりというか。いつもそうなんで。単独行で積み上げてきた体系と知的財産を競争相手でもある同業者に無償公開です。
しかし、反応は???よくわかりません。

たぶん、あまり必要性を感じていないからだと想像しています。

 

新築ではさほどの難易度ではなく貫通部の気密処理ですが、既存住宅での後工事では工夫しないと気密が確保できません。必要性を感じなければ、そんな面倒くさい技法を確立しようという気にはならないでしょう。問題意識があれば何らかの方法を確立でき、意見を出し合ってより確実、作業性のよいものにしていけるはずです。必要性を感じていないから創意工夫が生まれない。姿勢が変化していくことを切に願っています。

 

少し具体的に言及しておくと、室内側の気密シートと通気層・屋外側の透湿防水シートの両シートの切り方がポイントです。ざっくり開口しててビリビリにしてしまうと、気密、防水ができなくなります。だいたいのストーブ屋さんの工事はこれです。一部、メーカーの施工要領書がそうなってしまうやり方で記載されていたので、改正を提案し、変更された例があります。私の意見を受けてのものなのかはわかりませんが。しかし「小林さん以外、言ってくる人はいません」と聞いているので、反映されたと受け止めておきましょう。

 

あと、それぞれの仕様で、シート気密なのかボード気密なのかの判別とそれに応じた対処法、

という辺りを具体的にお見せしました。

ほかの方法もあり得ると思います。これは“俺流”で、一例です。

「やっつけ」ではない、体系的・理論的に導いた、結果としては簡単にできる技法の紹介でした。

 

今年、パッシブハウス関連のストーブのお仕事をお手伝いさせてもらう機会がありました。パッシブハウス・ジャパン代表理事の森みわさんが、展示場兼セカンドハウスを軽井沢で建築され、そこで採用された温水ペレットストーブの調整をご依頼いただきました。超スゴイ建築でした。

私が販売・設置したストーブではないものの、うまく燃えないということで、お鉢が回ってきました。

 

私は基本、他社施工の案件には手を出しません。

どうしても、という場合は直接のご依頼は請けずに、輸入元・メーカーから依頼があればお引き受けする、という段取りを踏んでいます。そうしないと、実態や責任が曖昧になってしまうからです。ユーザーさんから、「・・・の店で購入したんだけど・・・・で、、、」という意見がメーカーに寄せられれば、技術指導するなり何らかの対処ができますが、直接自分が受けてしまうと、自慢話と他店への批判にしかなりません。業界のレベルアップと発展につながらないので、少々遠回りでもしかるべきルートを通してもらっています。

(この仕事を初めた頃は積極的にそうした仕事を直接受けていました。理由は、ペレットストーブが経年でどんな現象、トラブルや劣化を起こすか、どんな条件で?というのをなるべくたくさん現認して施策してみたかったからです。こうしたケースで拾い出した課題は、都度、メーカー/輸入元にフィードバックしてきました。私の目標が、ペレットストーブを日本において信頼され、普及して、“三方良し”ならぬ環境も含めた“四方良し”の産業分野として発展させたいという強い願望を持っていたのでそういうことを続けてきました)

 

パッシブハウスとのお付き合いのきっかけは、つくば市内の超ハイスペック住宅の現場でたまたまご一緒したのが空調のプロフェッショナル、エコモ株式会社の三原さんとの出会いでした。つくばでは、三原さんも私も施主さんからの直接のご依頼でたまたま現場での初対面でした。

 

パッシブハウス関連の仕事は三原さんが担うことが多い(ほとんど?)のようです。全国から引く手あまたとのこと。

三原さんいわく「ペレットストーブ、薪ストーブの業者は換気・気密を知らなすぎてとても任せられない。だから貫通部の工事は自分がやっています」とのことでした。

そこで、私の考え方や技法、機種選定などをご紹介したところ、

夕方でしたが話が盛り上がってしまい三原さんが帰ってくれなくて。私は学童保育の子ども迎え最終時刻を過ぎてしまいました(笑)。

 

その時に、軽井沢の現場でお願いしたいのがあり、来てくれないか、見積もり出して欲しいと相談され、私は遠いところは行きたくないし、自身で扱っていないメーカーだと機種の理解が不十分なので解決できるかどうか確証が持てない、とお断りしたのですが。

この時の会話で、こちらの力量を正確につかんでもらえた感があり、ストーブ仲間の何人かに「凄い空調屋さんに会いましたよ」と興奮して電話したくらいでした。

 

後日、その現場がパッシブハウスの森さん邸とわかり、もうこれは引き受けるしかない!ということで出張って行ったという流れです。(写真は調査後、2回めの訪問での燃焼セッティングの際のもの。レポートは森さん、三原さんに提出済。いじってみて、ほぼスペック通りの燃焼を実現しました)

行ってみたら、「ペレットストーブ界の変態」が来る、ということになっていて、進行中の他の現場にも連れて行かれてしまいました(笑)。

 

尊敬する薪ストーブ関係者で議論が噛み合い安心して沸騰できる北海道ファイヤピット大石さんにも「変態!」と言われているので、そういった各業界のトップの人たちからいただいた称号が「変態」だということで、ここでは自慢できるものとしておきましょう。

 

森さんからは、「キーアーキテクツ(森さんの建築設計会社)での設計だと、実際の住まいでの(一次)エネルギー消費量は設計値を常に10%程度下回る」との実績をお聞きしました。

 

さすがだ!というほかありません。

(シミュレーションアプリケーションは同一ではないものの)

 

高気密高断熱をうたう多くの現場では、実際に消費するエネルギー量は設計値(シミュレーション)を超えてしまうことが多々あります。多い時には10%超過では済まないようです。もちろん生活スタイルの影響も大なのだけど。

 

建材スペック・直接日射取得から計算された数値とかけ離れる一番の理由は、

ズバリ、 施工精度 です!!

 

長い愚痴の後、やっと本題に入ってきました。

 

特に断熱性能の悪化に影響するのは、袋入りグラスウール(やロックウール)で、柱や間柱、筋交いなどの躯体との間に隙間ができてしまいやすいのです。

 

気密の不良は計測で判定できますが、断熱材の施工不良は外見ではわかりません。後からだとなおわかりません。著しい欠損はサーモグラフィーカメラである程度判別できますが。最終的な出来の優劣は監督、大工さん、出入り業者の意識と技量にかかっています。

 

袋入り繊維系断熱材での欠損は、これはもちろんそれなりに知られていることなので、Googleで「グラスウール 隙間 断熱欠損」などのキーワードで画像検索かけてもらうと意味がわかるはずです。

これらの検索画像を見ていただければわかりますが、スリーブ等のグラスウールの袋の貫通部、切りっぱなしです。だいだい一般の現場はこの状態なので、ストーブ屋が
 「そこまで閉じる意味があるのか?」
 「俺の現場で閉じてるところなんて無いんだけど」
という感想だとしても、それは理解できます。

しかし私は、断熱等級4、5だとしても「閉じた方がよい」という意見です。

監督から「閉じろ」とこちらに指示されることがなくても私は今は閉じています。
大工さんに任せてしまうと閉じてもらえないので、断熱材が袋のグラスウールの場合は渡しの場合はなるべく断熱材後にスリーブを入れる工程とするか、先にスリーブ入れておいてから後から再訪し、自分で閉じるかしています。

他の貫通箇所が切りっぱなしだとしても、
「排気筒周りは断熱しているので高温になるわけではないのですが、他の箇所と比べると温度勾配つきやすいんで(結露抑制のため)閉じてます。やらないよりは良いので」と、
監督と大工さんには説明しています。角が立たないように。

あとは、一面で2箇所以上、袋が切られる場合は、壁内の気流が生じる原因になるので、閉じた方がよいですね。(壁内気流の問題については、新住協 鎌田先生の本をご参照ください)

 

多数のファンを有する建築家 松尾和也さんの『エコハウス超入門』では、断熱ラインである外周部は隙間のできやすい筋交いではなく耐力面材で隙間なくぴっちり詰める工法を推奨しています。

(なお、同書内にペレットストーブ、ペレットの記述がありますが、掲載されている写真はペレットストーブではありません。燃料もペレットでもなく人工薪(ブリケット)です。校正でもチェックが入らなかったことから想像すると、ペレットストーブはその程度の評価なのが現状なのでしょう。私たちのアピール不足です。もっと提案していかなくてはなりませんな!)

 

そこら中に断熱欠損のある建築なら、一箇所の欠損はあまり関係ないかもしれません。しかし、時代は変わっており、「平成28年度住宅省エネルギー技術講習施工テキスト」の時点で貫通部周りの断熱欠損対策として、グラスウール切り欠いてそのままスリーブを入れるのではなく、貫通部を箱状に木枠で囲い、スリーブと箱の隙間に現場発泡ウレタンを吹き、気密防湿フィルムは箱の木部に止める(気密処理する)方法を推奨しています。

(これは新住協のQ1.0住宅での推奨工法と同じものです)

 

※この収まりを、PSJ総会で複数の掲載資料を使って紹介しました。

※断熱等級のレベルが5、6、7と上がっていくに従い、我々の仕事のレベルや認識も上げていかなくてはなりませんよ!という話です。

 

既存住宅での後工事でも、このレベルに可能な限り近づける!断熱欠損と気密漏れを可能な限り少なくする!

 

それが住宅工事を担う、ペレットストーブ設置を担うプロの認識であるべきでしょう。

 

今回のブログ投稿で言いたいことは、要するにそういうことです。

 

上記のテキストや関連の技術書のどれかに目を通していれば、自ずと自覚や問題意識が生まれるはずです。

 

そうした認識の革新ができない業者は、マインドセットを変えるか、早々に退場してやる気のある後進に商圏を任せてください。

 

ということを公の場でも言ってしまうので四面楚歌になる(笑)。

 

ペレットストーブ業界は、総合的な視点で見て、世の様々なモノやサービスと比較して、SDGs的な面でも期待できる存在です。そんな業界ですから、責任ある仕事、付加価値の高い仕事ができる集団にしていきたい、という思いがあるもので、つい暴走気味になり孤立するのですが、まだしばらくこの姿勢を貫こうと思います。大丈夫、少数でも必ず自分の姿勢を信頼して選んでくれるお客さんが一定数いるはずなので。

 

あと、「高気密住宅ってそんなに多いんですか?」という質問を同業者からもらうことがあります。先日もそうでした。

持ち帰って熟考し、んー、どうやら高気密住宅についてかなり誤解があるのではないかと思うに至ました。何をして高気密と定義するか?たぶんここが曖昧。それらの認識を深めるために、人気住宅系YouTuberでもある日本住環境の釣本さんを講師に招いてオンライン講習会を過去に開催したのですが、、、

 

C値を測っているから高気密住宅というわけでも、0.5以下だから高気密住宅というわけでもありません。いや、0.5は高気密の合格点ですな。ちなみに森さんのパッシブハウスは0.05だそうです。ひえぇー。私の自邸が0.1なので、それより良い数値見たの初めてです。

 

先ほど「0.5以下だから」と触れたのは、数字の基準があるわけではない、という意味です。鳥取とか県レベルで独自基準を設定する地域は続々と出てきています。国が消極的だから。ちなみに、鳥取は“最低限”と注釈付きで「1以下」と設定されてます

 

ちなみに、「C値 1」という数字がどういう気密・換気状態になるかは、解説本数冊で必ず出会うことなので、ペレットストーブ関係者と話す時に私が必ず聞く設問でもあります。

この数字の意味を語れる人は、知識・技能習得に意識がありやっています。それ以上の専門的な議論に移っていけますが、ここで無言だと入り口にさえ立てていないので今回あなたにお伝えできることはありません、もう少し学んでから出直してくださいレベルです。高気密が嫌いでもいいけど、最低限このくらいは理解しておいてもらわないと会話が成立しないんで。

茨城は以前は、トンデモ低レベル、スカスカな値、「5」というのがありましたが、これは撤廃されました。

だいぶ長くなってしまったので、気密の話は機会を改めたいと思います。