主催 森と水と太陽のエネルギー舎
ペレットストーブのプロフェッショナル連続講習
主催 森と水と太陽のエネルギー舎 小林一朗
お前、何様だ、と言われそうですが。まぁいいです。それは。
これまでの蓄積を何らかの形にして、共有したいと思います。
只今企画中。
「関心ある」、「絶対参加したい」という方、ご連絡ください。まだ募集開始しているわけではありません。以下、現時点ではラフなので随時整理します。
目的
・自分だけでは網羅的に身につけることが難しいペレットストーブに関する知識と技術を学ぶ
・講義とワークを半々くらいの構成を予定(回による)
・「○○が解決できないので教えてください」で済ませず、自分でロジックを立てられるようになるための急所を集中的に。
・「どこに出ても恥ずかしくない」(「どうせお前らガテンだろ」扱いされない)プロを育成する。設計士ほかプロと話ができるように。(パッシブハウス志向の建築関係者は諸々お詳しい。パリ協定以降の流れを把握していれば視点も広範。そこまでをストーブ屋が精通するのは難しいが、ストーブ業界で知識社会化の一員として仕事をしていく奴が増えていけない理由はない)
・業者の廃業、怠慢などで放置されているユーザーをサポートする/できる業者を育成する
もちろんメーカー/輸入元の責任ではあるけれど。この業界の一員として自覚を。
・これまで主催者が蓄積したペレットストーブに関連する技術、知識、経験を資料化し共有する。
・専門的、工学的な説明が随所に入るが、それらを学んでいなくても要点をつかめるように構成を考えた内容にする。
・“経験”や“感性”はとても重要であることに異論はないが、一定のレベル以上の仕事をなすためにはある程度の“工学の知識”が必須であることを実感して、以降の学びと仕事を深め、付加価値を高めていただきたい。講座をそのための“地図”としていただきたい。
計4回の講義・実習・研修
各回1泊2日 1回/3ヶ月
場所 森と水と太陽のエネルギー舎
費用 9万8千円(税込み)
募集人数 3~10名 ※3名以上の申込みあれば開催します。
※ロジのサポートスタッフを最大2名募集します。参加費半額でご参加いただけますが、映像撮影、印刷その他雑用をお願いしますのでがっつり講座に集中したい方は通常の参加でお申し込みください。
※コロナ対策は一番下に。
資格 ペレットストーブ販売・設置を専門とするか、副業でも本業に近い位置づけもしくは先々はそうした位置づけの事業者、従業員
・年10台以上販売実績 満たない方はご相談ください。
その他、末尾に詳細付記します。
内容
1 ペレットストーブの構造と制御について(その1)
・他店で行き詰まったトラブルを即時に解決に導いた事例を4,5件紹介
なぜ、それができたのか?
多少の知識とロジックの組み立てで、だいたいのことは解決(検証開始)に至る。
特に、センサー類と制御について理解する。
これをマスターすれば怖いものが格段に減る。全体像と細部、どちらもある程度頭に入れる。
答えだけが欲しいのは“アマチュア”。マインドセットを変える。
ロジックとアプローチ。そのための“理解”と“機器活用”
「ほんとうは別のところが壊れているのかもしれないよ」
センサー故障の検証方法
とりあえず客先で動くようにする、が優先されるが、理解なしの解決では過信にしかならない。
センサーについて覚えるのは、重要なのは概ね 系統。その他はおまけ。
制御については 系統。これを組み合わせてマスターする勘どころ。
2 木質(特にペレット)の燃焼の科学と伝熱工学の初歩
「工学」を大学・専門学校等で学んでいないことを前提。講義と思考。
ストーブ構造 その2(その1の補講) 伝熱にフォーカスした説明
ストーブとは、
“燃焼”で熱を発生させ
その熱を室内に移し取って室内を温める“熱交換器”である。
※“燃やす”ことだけが目的ではない、ことがポイント
エミッションの低減と熱効率の両方を追求し、かつ、“気持ちのよい”熱 に燃焼で得た熱を転換する
連続燃焼、定常状態の維持がやりやすいことがペレットストーブの高効率のゆえん。
デメリットは?
ペレットストーブの熱の発生と室内への伝達の仕組み
燃焼効率の最適化と最大熱効率のズレを、ペレット燃焼のメカニズムを他の燃料と比較して理解する
排気温度が上がる幾つかのパターン
思考実験
出力を変えても常時排気温度が一定となるストーブは実現できるか?
もしできるとしたらどのような構造?どのように熱が移動するか?全熱交換は可能か?
参考 エコジョーズ
(欧州では、木質燃焼機器で、潜熱回収型のタイプが登場してきた。低位発熱量換算では100%を超える高効率!)
燃焼と炎を理解する
温かい炎と温かくない炎 違い 燃焼で発生する熱量は同じだとしても。なぜ?
煤からの赤外線・可視光線と「青い炎」の違い
各種の“炎” 灰色体放射の連続スペクトル、化学発光だが連続スペクトル、分子振動の鋭いピーク(応用したのが火災検出装置)など
木質の“ガス化燃焼” の実演
熱分解ガス 炭化水素と水素の段階と燃え方、固定炭素のガス化と燃え方
ガス化傾向の高い幾つかの機種
“熱”の正体
活性化エネルギー、吸熱・発熱、放射(輻射)、エネルギー保存則(発熱量を無視した温かさを論じないために)、励起 この辺りはあまり突っ込まずに。
伝熱の基礎式(フーリエの法則)をナメて理解する。
数式の見た目の難しさを直感でナメてしまおう。この手の数式は、要は単位時間での(伝達熱量などの)変化量から計算、予想ができるよ、というもの。実際の現象は複雑になるので修正が必要なんだけど。
再現性のある現象は、計算対象になり、何らかの法則性と数式が人類史で蓄積されていて、その「肩の上」から見られればよい。入り口をガイドします。
その他、ペレットの“余剰”知識をいろいろと。
クリンカーに関する国内論文を古いものからリストアップ。現時点の到達点を2つ。
いまだに続く全木・ホワイト区分と不正確で誤解だらけの記述
エミッションを減らす幾つかのチャレンジを機器紹介で。
ほぼイコールで、燃焼効率のアップ
時間があれば (第4回の補講にするかも)
日本における木質ペレットの歴史を概観する
ペレットは裏山でチェーンソーで自給できない工業(農林)製品。やり方次第ではものすごく合理的で素晴らしい燃料であるという理解
石油ショック、停滞、京都議定書、FIT ~ 合理的・経済的に見合うペレット供給インフラをバックキャスティング
サプライチェーンの上流から下流まで。
成功モデルだったのでは?欧州における“木質バイオマス”逆風と見直し現時点
“ペレット”に拘わる、拘らない?
3 高気密化・高断熱化に向かう住宅とペレットストーブの選択/セッティングと工事の実践
下記(キーワード)の概要は講義で学ぼうとしているとしたら失格。ある程度理解はしているが、ペレットストーブとの関連に特化して正確かつエビデンスをもって理解し説明できるようになる、ことが第3回の目標
計画換気、負圧、第一種~三種の各種とメリット・デメリット(事例)、C値
気密線(層)・断熱層の連続、各種の工法
・気圧(差圧)とは何か? そこから何が導けるか?
・高気密の負圧測定 実測、推測、資料からの計算
・設備・工法のチェックポイント
・打ち合わせで「この計画換気、おかしくね?」と即断できますか?
・各モデルに合わせたFF/FE仕様 従来機でもセッティング/工事次第
・過酷負圧条件下での燃焼テスト フィードバック機能の有無で最適チューニングの違い
・高性能機に頼り切らないために。“密閉度”は劣化する。設備と機種をよく理解する
・直感、経験を“数値”、“再現性”、“エビデンス”にするために。考えが変わっていくのが当然。過去の自分の発言にしばられない。そのためにもエビデンス重要。
・高気密施工の要点
・上下に気流止めがあっても気流を生んでしまうケース
・後施工が困難なケース、比較的容易なケース
・漏水のあれこれ
・優先するのは防火?断熱欠損? 露点シミュレーション
・ダメな施工例、もうちょい耐久性・信頼性のある部材選ぼうよ(業者名は開示しません)
わかっていない例から手抜きまで。自分の仕事は手間、部材安くできるはずがない。無知・手抜きと相見積で無駄な争いをしないために。見えないところに手間をかける工事が気密住宅では特に必要になってくる。
壁(模型)で、後付施工の貫通・気密処理やってみます。
4 快適な温熱環境を求めて
出力の高い暖房機は、温熱環境の最適化を求めた場合、ベストの解ではないケースも増えていくかもしれない。
なぜ、ストーブはこれほどユーザーから喜ばれるのか?個人差ある“感触”を数値化してきた実例、経緯
不快な温熱環境とは?
論文・文献を遡る
ヒートショックの全国統計から見える住まいの“温熱環境” 地域の特徴
営業トーク「ペレットストーブあったかいですよ」から卒業する。
個々のケースで、最適と思われる機種、設置方法を提案する。
自宅/モデルハウスに複数箇所、ペレットストーブを設置し、かつ仕様の異なるモデルで比べてどれだけ違うか実感し、できるだけ数値化・可視化する。
※ストーブ屋はそのくらいやらないと、自分がどれだけ「わかっていないか」がわからないよ。
※「見えてないものは“見えてない”。気づきすらせずにスルーする」
天性の勘などクソくらえである。
これから考えられること、増えていくこと
Q1クラス以上、パッシブハウスでオーバーヒートさせずに快適にするには?
在来工法が基本だとして、ゴールはどの辺り?
注目されている床下暖房、床下蓄熱にペレットストーブを使う メンテナンス性
全館暖房 温風式、温水循環パネルヒーター式、床下
第一種換気との整合性
それでも多数残り続けるであろう断熱不足、気密不十分な住まいで求められるペレット/薪などの燃焼機
住宅地での採用が増えるとともに チャンピオンではなく低エミッションの持続
参加者の経験をシェアして議論する。
4-2 おまけ LCAでみた木質ペレット
経緯、歴史から変遷、展望まで
石油ショックと3大ペレット工場の時代から冬、京都議定書、パリ協定、FITまで。
ペレットでCO2は減らせるのか? 簡単に“カーボンニュートラル”って言うな。
4-3 卒業テスト やるかも???
資料持ち込みOK
何の資格にもなりませんが、たぶん自信にはなる。
■募集要項 の続き
・メーカー、輸入元の申込みも歓迎します。
・講座を元にした販売店向けの講習資料作成喜んで。ただし出典明記等、ご相談ください。
・ビデオ、写真撮影もちろんOK。自宅兼ショールームなので撮影NGのところあります。
・有償講座につき動画サイトへの投稿等の公開はご相談ください。
・グループ/フランチャイズ経営されている方は別途ご相談ください。私はこうした講座は本部が企画・開催して指導していくものだと考えています。
・できれば、日本ペレットストーブ工業会(ディーラー会員)にご入会ください。本講座は工業会による開催ではありませんが、一緒にペレットストーブ業界を引っ張っていく仲間を増やしたいので。
・第一回、第二回を受講できなかった方は第三回の参加はできません。ノウハウも含めて全公開します。
・コロナ対策としては、状況によっては開催日前日か前々日に抗原(もしくはPCR)検査で陰性確認を主催者、全参加者が行うこととします。各自治体の無料検査をお勧めします。地元の検査体制を予めご確認ください。
・懇親会を予定していますが、感染拡大期は控えます。
・感染状況によっては開催日を延期します。
・開催中も感染予防にご協力ください。
・オンライン参加はやむを得ない場合のみ準備します。
・Wifi接続できるタブレット、スマートフォンなどをご持参ください。ネット検索必須の実習があります。
・交通費、宿泊費、飲食費は自己負担となります。
・欠席、途中辞退の際も参加費はお返しいたしません。
・講習時に使うストーブとしては、PIAZZETTA、EDILKAMIN、山本製作所、Olsberg etc を予定していますが、希望を受けて変えるかもしれません。
・その他、申込み受付後に各回の事前準備についてご連絡します。
以上はラフ案なので、変えるかもしれません。