ペレットの自主テストと輸入ストーブへの対応

(2022年追記 この当時は、ぬく森は関東で買えるペレットに比べてクリンカーが出来にくかったのですが現時点のものはクリンカー多めにできます。しかし香りがよいので指定でお求めいただくユーザーさんが複数いらっしゃいます)

Facebookに投稿したものですが頑張ってまとめたのと、内容的にブログにも載せておいた方がよいかな、と思いましたのでこっちにも。

写真はとりあえずFacebookのページで。

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ペレットコレクション
昨シーズン、ペレットを色々と集めて燃焼テストを行いました。必要に迫られまして。そうしたペレットと灰の一部です。

チャンピオンは「ピュア1号(上伊那森林組合)」、次点が「南飛騨ぬく森ペレット(南ひだウッド協同組合)」
全国を探せば優れたものは他にもあるかとは思います。

両者ですが、長野と岐阜での製造なので送料がキツい。ウッドマイレージ、マイレージCO2で考えても、自然エネルギー(の燃料)を遠距離輸送するのは、ほんとうは例外的にすべきだし、減らしていくべきでしょう。地元でモノとお金も循環させたいし。

で、関東のペレットは?
残念ながら、両者に比肩する品質には至っていません。こうした情報を(更に詳しくを)製造者に忌憚なく伝え、品質向上に一緒に取り組んできました。品質が未達だからもう買わないとか安く買い叩くとか、そういうことは絶対にしません。しかしお客様のところで燃焼トラブっては本末転倒。したがってストーブのスペックに合わせてご案内のペレットを変えています。自動運転の再着火するストーブでは「ぬく森」クラス(A1規格が取れる品質)が必須です。
在庫管理と受発注管理がたいへん。うちの仕入れのメインはイクイ建築さんの「イクイのペレット」ですが、頑張って品質を上げてくれています。先日仕入れに行きまして、現在チェック中ですがいい感じす。こうなるとペレットにしなかった材を有償処分する場合もあるでしょう。応援しなくては。

今年は取り扱いをやめる種類もあります。残念ながら。

ペレットの評価方法はわかってはいるのですが、機械を買えるわけがない。外注するとウン十万円。自前でどう工夫するか?
灰を顕微鏡で見たり、灰のサイズを測ったり。これでもわかるものなんですよ。だいぶ。クリンカの出来にくさという点の両巨頭ですが、性状はだいぶ違います。ピュア1号は灰は(ぬく森に比べ)重めですがそもそもクリンカになりにくい。ぬく森は灰が微細で軽く吹き飛んでしまうので溜まりにくい(高温に長時間晒されにくい)傾向があるように思います。
こういう観察と考察は好きなので苦ではないですが繁忙期にやることではないですね。
地道な努力を続けている?そうでもあるのですが、性格的に突っ込んでいくのが合っているのと、何よりお客様のところで燃焼トラブルを頻発させるわけにはいかないでしょう。事業者としての当たり前ですが、私の場合は、ホンネはたぶん自分のプライドが許さないんですね。だから突っ込んでしまう。(「お前の場合は趣味だろッ!」、と言われそうですが)

クリンカ(灰が少し融解してガラス化し固まったもの。酸素の供給を妨げてしまう)の出来やすさは灰の絶対量に加え「灰軟化点(温度)」とか「再溶融温度」として評価されるのですが、なんと、その温度が高品質なものとそうでないもので400℃も違います。たかが灰だろ?そんなに違うの?違うんです。オーストリアの公的機関で検査済み、外国の専門誌に国内のペレット2検体を評価した論文発表されてますんで。もうびっくりです。そりゃあトラブル出るはずだわ。

原料(素材、木材の種類)が最大の要因ですが、灰軟化点を下げてしまう成分が多めになる原料なのに、クリンカ生成を少なく抑えている 「南飛騨ぬく森ペレット」の品質管理に感激します。原料の種類を成分・性状で4種類(訪問時)に分け、品質を満たせるように配合。ロットごとに燃焼テスト。だからです。製材所なので原料の品質が比較的安定していることや、ボイラー用ペレットも製造していることもあり、ストーブに求められる品質のペレットはそれ用に、品質が満たないものはボイラー(近くに設備あり)や自社使用(乾燥用)にと、分けて使い尽くせるのも大きいです。無理にストーブ用として売りさばく必要がない。冬場以外の需要がメインであれば設備の稼働率も上げられる。結果、高品質なペレットがリーズナブルな価格で供給される。
そう、そのレポートをアップしようと以前書いておきながら、サボったまま繁忙期に突入してしまいました。う。。。

当店、ぬく森ペレットの取り扱いあります。
今シーズン、輸入ストーブ向けには、ぬく森ともう一種類ご用意します。現在検証中。

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