PIAZZETTA マルチフォーコ全館暖房システムのご紹介

お問合せをいただくことの増えているマルチフォーコ全館暖房システムの施工例をご紹介します。

温風を分岐し、ダクトを他の部屋まで伸ばし、多室・全館暖房できるシステムです。温風を本体下部から吹き出し、”フォーク”のように分岐させて多室に送ることができます。PIAZZETTA社がパデュア大学と共同で開発し、同社が特許ホルダーです。他のメーカーでも類似の機能を売り出していますので次第に施工例が増えていくと思われます。温風ダクトの総延長16mが可能な輸入機種は今のところPIAZZETTAのものだけです。

当店施工例を2つ。

 工事中の画像なので、床面の工事が終わっていませんが。既築の住宅での工事の様子です。
ストーブ背面の隠蔽空間を通し、ほかの2部屋までダクトを敷設しました。ロックウールで保温、断熱しています。(最終的には美観に配慮した仕上げになっています)
「押し入れは今後は使わない」とのことでしたので、ここで分岐しました。

機種はP961。

 

分岐した温風出口を2箇所設けました。

こちらは既設薪ストーブからの付替えのご要望でした。
ストーブの背面の壁を開口し、後ろ側の部屋に温風を送っています。
ちなみに、ペレットストーブでは珍しいオーブン付の機種で、P960Fです。

 

 

 

もちろん本体正面からも温風は出ます。出力の大きな機種では温風ファンを2台搭載しているので、そのうち1台をダクト送風専用にすることもできます。本体内で分岐させて一部の風を正面から吹き出すようにもできます。2台のファンの風量は連動させることも独立させることも、どちらもできます。すべてリモコンによる操作です。
ダクト重視の場合は、2台搭載機種を選んだ方がベターです。

より詳しい説明は図解入りで輸入元のグリーンフッドさんのページ「マルチフォーコシステム」にありますのでご参照ください。

PIAZZETTAの機種は、出力に関わらずのべ16mのダクトOKとなっています。P158のみ8mです(またP158 のみリモコンがオプションになります)。

費用は、本体の価格やダクト長と分岐数および吹き出し口の数によって変わりますのでお問合せください。
煙突の仕様や炉台の有無によっても費用が変わるので、ブログ上には掲載しておりません。

床下に蓄熱する構造の場合は、床下に吹き出すこともできます。床下エアコンやソーラーシステムに似た設置になります。
最高峰のストーブで家まるまるの全館暖房が組めますので、意外とリーズナブルなのではないか?と思ってしまうのはストーブ屋だから?かもしれませんがオススメです。

追記
温風ダクトのことで、PIAZZETTAで厳守すべき事項があったので追記します。

ダクトに使用する部材の耐熱性をメーカーでは「250℃以上」と定めています。純正ダクトは250℃耐熱です。もし都合により他のダクトを使う場合は耐熱基準を満たすものを選ばなくてはなりません。またロックウールなどの断熱材での被覆が、送風中の熱のロスを最小限にします。安全性の観点からも不可欠です。

PIAZZETTAの下吹き出しを含めた送風システム全体が”マルチフォーコ”の特許になっています。この仕組がストーブの構造にも大きく関わっていますので、これについても付記しておきます。

輸入元のページ、「ペレットストーブのメンテナンス」に構造図があります。
ここで、下吹き出しを実現しているのが、送風ファンの特殊な配置です。実物をみれば一見してわかるケーシングの重厚さが特長です。

なぜ「重厚」さが求められるのか? 欧州ストーブの排気ファンのケーシングは重厚です。なぜ送風ファンも?

一般的なペレットストーブでは、空気をファンが吸い込んできて、ファンを通って送り出した後に熱交換します。PIAZZETTAではファンの前で熱交換し、直後に配置された強力なファンが風を送り出します。ケーシングが鋳物でできているので、蓄熱し、冷めにくい。「重厚」です。だから、16mの高温送風が可能なのですね。

デメリットとしては送風の音が大きめになりますが、室温がある程度上がって出力が下がれば、送風ファンも連動して自動的に変わるので小さくなります。
※音については、使用感を確認する上で重要な要素なので、当店では実際に燃やして風量と音をご確認いただいています。夏でも燃やしますよ!

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